よく指摘されます。進学実績のページを御覧になって下さればお分かりのように、確かに指導期間の短い受験生が多いのが当会の特徴かもしれません。が、これにはいくつか理由があります。
●設立時のいきさつから、本格的に生徒募集を行ったのが秋口からになってしまったからです。チラシで公表している指導期間を御覧になったお父さんお母さんが、数ヶ月の指導でも間に合うんだ、と考えてギリギリになってから相談されるケースが少なくありません。
●営業活動に熱心でない（電話勧誘や訪問営業、ＤＭ等を行っていません。紹介入会や兄弟入会が多い〜合わせて５割を越えています〜こともあって、最近ではチラシ配布もサボりがちです）ことも、駈込みの受験生が多くなっている大きな理由になっているかと思います。
●低学年の場合、家庭教師の必要がないと思われる時は、はっきりそう申し上げておることも一因していると思います。少なくとも４年生までは、特別な事情がない限り毎週毎週、定期的に家庭教師を付けるのはどうかと思います。不安に駆られるのはよく分かりますが、しっかりした塾に通い、お父さんお母さんが対応を誤らなければ、要所要所でのカウンセリングだけで十分ではないでしょうか。寧ろ、それくらいでなければ、難関校合格は難しくなります。カウンセリング時に「必要ありません」と断言しているにも拘わらず、慌てて他の家庭教師センターや個人指導教室などに駆け込んで、結局は無駄なお金を使った上に、お子さんを勉強嫌いにしてしまう御家庭も少なくありません。物事には丁度良いタイミングというものがあります。花や野菜でも、肥料をやってよい時期といけない時期があります。本当に必要な時までしっかりと貯金しておいて下さい。
また、当会の場合、初日難関校の受験結果を正直に公表しております。お父さんお母さんの中には、「何だこの程度か」と誤解される方が少なくありません。実際、設立して何年間かは、「駒東の合格率、良くないですね」とか「先生は麻布は苦手なんですか」などとよく言われたものです。確かに、最初の４年間の当会の駒東の実績は11→３でしたし、当会として初めての麻布合格者が出たのは開設４年目の受験生の時です。最近でも、「先生のところ最近、桜蔭に入ってないでしょう」と言われてしまいました。
『なこと言われたって、記念受験になりますよ、って言っても皆、聞く耳持たないんだもん』とか『受かるだけの素質のある子が来ないだもん、しょうがないじゃない』とは思っても、言い訳が許されるはずもありません。さもしい発想とは重々承知致しておりますが、いらぬ誤解を招いて“駄目なセンター”と思われたくもありません。ついつい、２月１日に難関校を受験予定のお子さんで、カウンセリングの結果、“見込みなし”と判断した場合はさり気なくお断りしてしまうこともあります。
とは言え、それでも「どうしても」と懇願されてしまうと…引き受けてしまうことも少なくないのが現状です。「何だ、偉そうなことを言っても結局、自分が可愛いんじゃないですか」と軽蔑されてしまうかもしれませんが、決して目先のお金に目が眩んでというわけではありません。お父さんお母さんの情熱にほだされて、『合格率が下がって未来のお客さんが減っても、まあいいか』となってしまうこともあるわけです。数多くのセンターの中からわざわざ当会に電話を下さり、15,000円ものカウンセリング料を払ってまで家庭訪問を依頼して下さったわけですから、私とて何がしかの縁を感じないはずがありません。合格率が上がったところで、あるかないか分からない未来の出会いより、目の前の出会いを大切にしよう――という気持ちになってしまうこともあるわけです。『◎◎は駄目でも○○なら何とかなりそうだし、最悪でも△△なら行けるはず。お父ちゃんお母ちゃんもその辺の状況は分かってるようだし、一丁、やったるか』となるわけです。
引導を渡されて、お父さんお母さんがより危機感を募らせ、時には私への反骨心＆復讐心をバネにして頑張って下さったことも見逃せないとは思いますが、“見込みなし”と判断して一旦はお断りした受験生でも、麻布、武蔵、駒東、普通部、ＪＧ等（さすがに開成、桜蔭はいません）に合格している子もいるわけです。何年やっても、『中学受験は本当に難しいよな』と思わざるを得ません。でも、難しいから逆に、遣り甲斐もあるわけです。
ただ、当会の場合、少数精鋭で運営しております。私自身が納得できる講師しか派遣しません。時期が押し迫ると、曜日や科目、時間帯、そして地域によっては自信を持って派遣できる講師がいなくなってしまうこともあります。最近では、“見込みなし”と判断してお断りするよりも寧ろ、派遣できる講師がいなくてお断りせざるを得ないケースの方が多いかもしれません。予め、御承知おき頂けましたなら幸いです。
２年前、３年前の古いチラシを御覧になってお電話下さる御家庭も少なくありません。それはそれで有難く思いますが、それならそれで、殆ど手遅れともなる前にどうしてもう少し早く相談して頂けなかったのか――というケースも少なくありません。
如何に当会でも限界があります。そして手遅れになればなる程、再生に掛かる 時間や労力は何倍にもなってしまいます。是非、手遅れになる前に相談して頂けたらと思います。
「夏期講習だけでどれだけお金をつぎ込んだか…。以前はＴＡＰで60あったんですよ」
「個別の塾で中学受験に何とか対応できるのは、大手では〇〇〇〇だけですよ。△△△△ははっきり言って学校の補習専門です。以前は中学受験生は向こうから断ってたんですけどね。まあ、行く方が悪いですよ。ファミレスへ行って、高級フランス料理を注文するようなもんですから…。他の塾やセンターが使わない学生が殆どなんですから、ＦｒｏｍＡで講師の時給を確認してから行かなきゃ駄目ですよ。多分、『新小問』にしか対応できない講師しかいなかったんじゃないですかね。『新小問』は予習できますけど、ＴＡＰの教材だと予習できません（※ＴＡＰが分裂してサピができました。教材はサピと同じように毎週、小冊子の形で配布される塾です、否、塾でした）からね」
「だから、ＴＡＰの補習をお願いします、って言っても、基本をやらなきゃ駄目です、って言って一切受け付けて貰えなかったんですね」
「〇〇第一志望だったら、スキップとシリーズの基本問題だけで十分でしょう」
「そうですよね。それが、いくらお願いしても、シリーズの練習問題とアルファしかやってくれないんですよ」
「偏差値40台の子にアルファをやらせるなんて、何考えてるんですかね。塾替わった方がいいんじゃないですか」
「それがそういう訳には行かないんです」
「何か理由があるんですか」
「……」
「ふーむ。それだけ込み入っていると、如何ともし難いですね」
「麻布とか開成の過去問ばかりやって、できないと怒られるんですよ。中堅校志望の子ばかりで、御三家なんか受ける子一人もいないんですけどね。20人近くいた生徒も皆辞めちゃって、今じゃ家の子入れて６人ですよ。夏期講習だけで100万以上納めてるんですよ。もう、悔しくって悔しくって、怒鳴り込んで暴れてやろうかと思ってます」
「〇〇だったら、今の偏差値でも十分間に合いますから、塾替わって基本からやり直すことですね」
入試二週間前。
「四谷でも日能研でもずっと、芝中の80％合格ラインを越えているのに、最近になって過去問をやってみたら、15点から20点しか取れません」「芝中の過去問は偏差値の割に難しいというか、そこそこのレベルの問題がズラリと続きますから、四谷とか日能研で合格圏にある子でも、訓練して慣らさないとなかなか得点できないんですよね。何で今頃まで放っておいたんですか」
「１年程、勉強を見て貰っているプロの先生が、同じ問題は出ないのだから過去問演習などやる必要ない、と仰るもんですから、今まで全く手を付けませんでした」
「うーむ、いくら何でも手遅れですよ
「先生が予習シリーズの問題を20分、30分考えているのを隣でじっと待ってなきゃいけないもんですから、その間に飽きちゃうらしいんですよ」「シリーズの問題を考えているようではプロを名乗る資格ないんですけど、どこのセンターですか」
皆さん、口を揃えて「初めてなので知りませんでした」と答えます。信じるのも、後悔するのも皆さんの自由です。が、塾でも、家庭教師でも、疑問を感じたらその時点で相談して頂きたいと思います。
のほほんとしたお母さん、あるいは尻に火が点いてから慌てて相談して来るお母さんの方が、本当は善人なのかもしれません。でも、中学受験生のお母さんとしては悪人なのです。５年生までにカウンセリングを依頼される御家庭の９割近くが３強、つまりＳＡＰＩＸ、日能研、四谷大塚の中位以上のクラスの御家庭です。反対に、駄目な塾に通わせている御家庭や、３強でも下位クラスの御家庭ほどギリギリ、あるいは手遅れになってからです。当会がどうしても３強贔屓になってしまう理由の一つがここにあります。